財産管理委任契約
法定後見制度は、判断能力の減退があった場合に利用できるものであり、任意後見制度は、事前に契約があった場合で、判断能力の減退があって、さらには家庭裁判所により任意後見監督人が選任されて初めて効力が生じます。
財産管理委任契約は、判断能力があるうちに、家庭裁判所の関与を必要とせず、今すぐ財産管理を開始してほしい場合に有効な方法です。
財産管理委任契約の特徴は、
●当事者間の合意のみで効力が生じる
●内容を自由に定めることが出来る
ということでしょう。
財産管理委任契約のメリット
・判断能力があるうちに利用できる
・開始時期や内容を自由に決められる
・本人の判断能力が減退しても、契約は当然に終了せず、特約で死後の処理を委任することも可能
財産管理委任契約のデメリット
・任意後見契約と異なり、必ずしも公正証書が作成されるわけではなく、後見登記もされないため、社会的信用が十分とはいえないことなどから、金融機関によっては受任者が代理人として対応してもらえず、個別の委任状が必要になることがある
・任意後見制度における任意後見監督人のような公的監督者がいないため、委任された人をチェックすることが難しい
・成年後見制度のような取消権はない
以上のことをしっかりと押さえたうえで、財産管理委任契約の判断をしましょう。